父、それは遠くて近い存在。
2004/08/30 (Mon) 18:40
2003年第60回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞(グランプリ)を受賞した『父、帰る。』 (Link) がいよいよ日本公開を迎えようとしている。
ロシア出身の監督アンドレイ・ズビャギンツェフの長編デビュー作『父、帰る。』は、不在だった父親の突然の帰宅と初めての食事、そしてふたりの息子との小旅行を描くロードムービーである。
寡黙な語り口の中から醸し出される独特な世界観、登場人物たちの傍らに常にある水のイメージ、静謐な画面から浮かび上がる言葉に出来ないエモーショナルは、ヴェネチアでの大絶賛を皮切りに、静かに、確かに全世界に広がっている。
“映画な時間/CINEMA JAPON”では、リスナーと考える「父、それは遠くて近い存在。」をひとつのキーワードとして、『父、帰る。』をモチーフとした特別な時間を提供することを試みる。
先だって来日したアンドレイ・ズビャギンツェフ監督の記者会見、限定40名をお招きする試写会の開催とその後の座談会で、映画から浮かび上がる「現在進行形の自分、そして家族」について考えてみたい。
この特別企画は、2004年第61回ヴェネチア国際映画祭が開催中の9月4日にオンエアされる。